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知られざるインテリアの想い
vol.1 THE STRAMA

サロンを構成するインテリアには、お客さまにどのような時間を過ごしてほしいかという美容師の想いが表れる。そんなさまざまな“心地よい空間”を訪ねよう。

THE STRAMA(東京都港区)

「未完成」がテーマの空間で
自分自身と向き合う時間を提供

「未完成」がテーマの空間で<br />
自分自身と向き合う時間を提供

どの立場からも愛される空間を目指して

 1号店の『STRAMA』同様、『THE STRAMA』がコンセプトとして掲げるのは「未完成」。「ヘアデザインが完成するのはサロンで仕上げたときではなく、お客さま自身が自宅でスタイリングしたとき」という考えのもとサロンワークを行っており、そのコンセプトに合わせて、単管パイプやべニア板といった建築資材をあえて残すことで、まるで工事途中かのような内装に仕上げている。

 そんな空間でお客さまに対しては、「その人ならではの充実した時間を過ごしてもらいたい」と語る代表の豊田永秀さん。お客さまの本当にやりたいことを邪魔することがないよう、雑誌は渡さず、店内のBGMに関しても誰もが知っている曲ではなく、マニアックかつ耳に残らないようなプレイリストの作成を音楽監修のプロフェッショナルに依頼。「音楽に気を取られて集中できない」という状況を回避している。

 またスタイリングチェアやシャンプーユニットといった施術に必要な設備は、店長の春宮雅之さんが決定。実際にその場で働く人が考えるからこそ、より実用的な選択ができるし、店自体への愛着も湧くという。

 理念を追求する経営者としての目線。居心地の良さを求めるお客さまの目線。利便性を重視するスタッフの目線。これら全てをかなえる空間であるからこそ、『THE STRAMA』は誰からも愛される存在になるのではないだろうか。

存在感と違和感を放つデザインパネル

存在感と違和感を放つデザインパネル
店内でひときわ目を引く「ティンシーリングパネル」。内装装飾に使用されるアメリカ発祥の建築資材で、本来は壁や天井に埋め込んだ上から塗装して使うのが一般的だが、あえてそのまま配置することで空間にゴージャスな違和感を持たせた。

「未完成」を象徴する建築資材

「未完成」を象徴する建築資材
『THE STRAMA』の理念は「誕生」。インテリアは全て新品で取りそろえて、改装や什器の入れ替えによって常に生まれ変わり続けるサロンを目指している。施工が完了したら取り外すため、本来であれば中古でも問題のない建築資材も、インテリアとして扱うために新品を用意した。

店内の全てを映す巨大な鏡

店内の全てを映す巨大な鏡
天井から床までという巨大な鏡は、自分の全身はもちろん、隣のお客さまや後ろで作業しているスタッフまで全てを映し出す。常に見られているという自覚からスタッフも気を引き締め、自らの所作を鏡で確認して佇まいを正す教育的な効果も。
2025.07.04
THE STRAMA
THE STRAMA

住所:東京都港区南青山4-17-51 エストラルゴ表参道1F
セット面:7席
スタッフ数:7人

路面店でありながら外からサロン内が見えないつくりが特徴。来店へのハードルを少し上げることで、ミステリアスな魅力を演出している。

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