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“髪のキメ”によってポジティブな感情が高くなる!?
花王㈱研究レポート

 大手化粧品メーカーの花王㈱(澤田道隆社長)の感性科学研究所ではかねてより、化粧時の感情の変化に関する3つの調査(*1)を実施。感情を評価する言葉から12の感情因子を抽出し、化粧時の感情の評価尺度を作成している。そしてこのほど、“髪のキメ”と感情の関係性についての研究結果をまとめた。

髪の状態が悪いと、気分が落ちこんでしまう人の心情とは?

 人々が健康的で美しい髪を手に入れるための本質研究を長年にわたって行なってきた花王は、今回、髪の仕上がりによって感情に変化が起きるかどうかについて検討。

 潤いを感じる髪は、毛流れがそろって毛髪1本1本がキレイに並んでいることが分かっており、そのような状態を“キメのそろった髪”と花王では定義づけている(図1)。

髪の状態が悪いと、気分が落ちこんでしまう人の心情とは?
▲図 1. 髪のキメ状態。

 調査においては、 日本人女性20人に対して“キメ”をそろえる作用が「ある/なし」のシャンプーとトリートメントを自宅で使用することを依頼。そして、髪のキメを実感「した/しない」を目視や手触りによって判断してもらい、その際に生じる感情と意識についての比較を実施した。

 その集計を基に、前述「化粧版 感情評価尺度(*1)」を用いて、朝、髪を整える時に起こる感情の評価を行なった。その結果、髪のキメを実感した場合、「活力感(活力がわいた等)」「幸福・満足(満たされた、幸せな等)」のスコアが高く、ポジティブな感情が生じているという結果が得られた(図2)。

▲図 2. 髪の状態と感情スコア。

 その集計を基に、前述「化粧版 感情評価尺度(*1)」を用いて、朝、髪を整える時に起こる感情の評価を行なった。その結果、髪のキメを実感した場合、「活力感(活力がわいた等)」「幸福・満足(満たされた、幸せな等)」のスコアが高く、ポジティブな感情が生じているという結果が得られた(図2)。

 これは、花王の先行研究でも示されている、思い描いた仕上がりのメイクができた時の感情と同じ傾向であり、今回の結果から、ヘアケアで髪の状態を整えることで、メイク同様に感情に良い影響を与えることを裏付けた。

 また、15項目の自己評価や美容行動に関する意識について、どのくらい当てはまるかを質問。その結果、髪のキメを実感した場合は、「仕事や家事に前向きに取り組めた」「笑顔でいられた」「人にやさしくできた」など、自分に対してポジティブな評価がなされていることを確認したという。

 さらに、「自分の思い描くキレイに近づいた」「自分のことを好きになる」など、自信につながる項目や、「自分の髪をつい触りたくなった」「メイクをしたくなった」といった美容行動に関する項目のスコアも上昇。 自分に自信が持てたことにより、美容行動に関する意識が喚起されたとも考えられる、とも分析している。

 今回の検討では、髪のキメをそろえてキレイを実感した際に、ポジティブな感情が生じていることを確認。また、自信にもつながり、 行動にも変化を与える可能性が示唆された。同社はさらに、心の豊かさにつながるよい毛髪状態を追求し、 明るい社会への貢献につながるヘアケア製品の開発を目指す。

 同研究レポートは「日本感情心理学会 第29回大会(2021年10月30~31日、オンライン開催)」にて発表されたもの。

(*1)「化粧時の感情の変化を客観的に測る尺度で、12個の下位尺度からなる」
  2018年7月12日 花王ニュースリリースより
  化粧時の感情を評価する言葉から12の感情因子を抽出し、感情の評価尺度を作成
   https://www.kao.com/jp/corporate/news/rd/2018/20180712-002/

2022.01.11
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