大人のブリーチ毛の髪質改善&縮毛矯正を大解剖!「最難...
年を重ねるごとに弱り、ダメージに対する耐性が低減していく大人世代の髪においては、ブリーチをしたら、髪質改善や...
毛髪内部の未知の領域の解明にチャレンジした経緯やそのタカラベルモント(株)(吉川秀隆会長兼社長)の研究開発チーム。毛髪の中心部にある「Medulla(メデュラ)」の構造解明と、Medullaの状態をコントロールする技術の発見までを同社・広報室の桝井氏がレポートした後編を紹介。(「PR TIMES STORY」2022年2月配信)
世界で初めて毛髪の最内部にあるMedullaの真相に迫ったタカラベルモントの研究開発チーム。その研究の中、リーダーである中嶋礼子研究員は、例えば、「ドライで、ほとんど定時に帰るというイメージ(中嶋)」だった平山貴寛研究員が、10時間以上も顕微鏡の前で観察を続けるなど、メンバーの変化を感じていたといいます。
「Medullaそのものもよくわからないし、正直にいえば最初は何をするんだろうという戸惑いがありました。でも、実際にMedullaをみて興味がわいたことを覚えています(平山)」
「世界初で独自の技術を仲間が作ったと聞き、なんとか製品開発に活かしたいと強く思いました(戸田)」
このように世界初のことにチャレンジする中で、時には研究方法をめぐって意見をぶつけあいながら、チームとして成長していったのでした。
チームは、その後もMedullaにさまざまな処理を行い、どのような変化が起こるのかを調べました。この過程においても、地道な作業が続いたといいます。
「水溶性成分、油性成分とさまざまな成分を試しました。しかし、切片にした状態で直接Medullaに作用させるのではなく、キューティクルやコルテックスの層を越えてMedullaまで浸透して作用させる成分となるとなかなか見つかりませんでした。
その中で、とある原料に浸すと、white Medulla(ホワイト・メデュラ)が変化することがようやくわかりましたが、浸された毛髪はとろろ昆布のようにふにゃふにゃに軟化されており、到底「ケア」したとは言えない状態でした…。
そこでもあきらめることなく、その原料に含まれる成分を解析し、本当に必要な要素を見出し、「ケア」しながらMedullaに作用させる成分の組み合わせを探し出しました(戸田)」
地道な作業で、そのほとんどが失敗という状況でも、次の方法をメンバーで相談して、根気強く効果的な成分を探すなど研究を続けた結果、Medullaの空隙を持続的に充填し、black Medulla(ブラック・メデュラ)からwhite Medullaに変換する技術を開発しました。この独自技術を「Hair Medulla Care(ヘア メデュラ ケア」と定義しました。
「研究を進めていく中で個人としても、チームとしても成長でき、今回の結果だけでなく、もっと新しいことをやっていけるという自信さえもこのチームに対して感じます(萬成)」
「時には愚痴もこぼしながらも、良い発見があったときには帰るのを忘れて議論に没頭する。まるで先輩と学園祭の準備をしているようだな、と思ったのを覚えています(平山)」
「得られた結果に妥協しない・諦めない性格の人たちが集まったからここまで来られたのだと思います。チーム外への交渉や費用の獲得は中嶋さんがやってくれているから自分たちは研究や議論に没頭できたと思います(戸田)」
「社内外での調整は私で、研究の中心は彼らという役割分担でした。自分たちで考え、動く方が能力を発揮するメンバーなので、極力制限はかけず自主性に任せました。任せたから、自分のやるべきことに責任を持ち、そして責任を持っているからこそ、足らずは補い合い、お互いをリスペクトし高め合うチームへと成長したと思います(中嶋)」
お互いを尊重しあいながら、時には意見をぶつけ、愚痴をこぼしあう。さまざまな個性をもつメンバーが、世界初の研究にチャレンジするという中で、見事にマッチングし、チームワークを発揮できたのが、今回の成果につながったのだと思います。
2020年からは新たに金澤研究員がメンバーに入り、「Hair Medulla Care」を活用した製品の開発を進めています。5人のメンバーに、「Hair Medulla Care」への期待やMedulla研究の今後について語っていただきました。
「Hair Medulla Careが今後のヘアケアのスタンダードになると思います。髪に関するあらゆる処理において、Medullaまでケアすることで、従来よりも高い次元の効果が期待できるようになると考えています。Medulla研究をさらに進めていきます(平山)」
「ケアだけでなくサロンでの施術すべてに、Hair Medulla Careが関わることができれば最高です(戸田)」
「カラーやパーマにおいても『髪へのダメージ』や『すぐに落ちてしまう』と言った悩みを解消し、芯から美しく健康的な髪の実現に貢献できると信じています(金澤)」
「Medullaに関しては、その本質を追求していきたいと考えています。今回は、Medullaの一面を知ることができただけで、その本質はまだまだ分かっていません。ダメージが生じる、その原因の違いによって内部でどんな差があるのか。それを可視化して証明していきたいと思います(萬成)」
「製品面では、今までにない新しい提案ができると考えています。また、これまでは意味がないと言われていたMedulla の価値を高めていくとともに、この分野では当社が一番といわれるようにしたいと思います(中嶋)」
このメンバーが開発した製品は、今年発売を開始する予定にしております。世界初の新発見によって生み出された新技術「Hair Medulla Care」を採用した製品により、未来のヘアケアがどのように変わるのか、楽しみにしています。〈了〉
化粧品研究開発部 中嶋礼子
2011年、入社。武庫川女子大学 薬学部卒業
在学時は、生薬学領域の研究室で、漢方薬のセンナ、ダイオウの生体内動態研究を行う。スキンケアメーカーに勤務し、商品開発に携わった後、転職。スキンケア製品の開発を担当するとともに、Medullaをはじめとする複数の基盤研究を担当している。
化粧品研究開発部 博士(学術) 萬成哲也
2014年、入社。京都工芸繊維大学大学院 博士課程修了。
在学時は脳神経科学の領域の研究室で、脳組織をスライスにして観察する組織化学の技術そして考え方を学ぶ。入社後は、ヘアケア製品(特にメンズ)の開発を担当。現在は毛髪の内部を観察する毛髪科学を主とした研究に専念している。
化粧品研究開発部 戸田和成
2014年、入社。大阪大学大学院 修士課程修了。
在学時は、天然物化学領域の研究室で「海綿」からの有効成分探索により新規抗がん剤の創薬研究に携わる。入社後は、カラー剤の研究からキャリアをスタート。現在、メンズスキンケアやヘアケアの製品開発に携わる。同時に基盤研究としてMedullaにおける構造変化を解明し、そこに着目した化粧品分野への応用方法を模索。
化粧品研究開発部 平山貴寛
2017年、入社。立命館大学大学院 修士課程修了。
在学時は神経科学の領域の研究室で、培養神経細胞を用いたタンパク質の機能解析を行なう。入社後は、ヘアケア製品や一部スキンケア製品の開発を担当。現在は、あわせてMedullaをはじめ、複数の基盤研究を担当している。
化粧品研究開発部 金澤莉香
2020年、入社。大阪大学大学院 修士課程修了。
在学時は、構造生物学の領域の研究室で、生体内のタンパク質について、電子顕微鏡を用いた画像解析を行ない、構造的解明に取り組む。現在は、Medullaの基盤研究やヘアケア製品の開発を担当している。
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