美容界ニュース

3年ぶりに開催（株）リーディアル主催のMIRARERU project 2022『人生に寄り添う美容を本気で考える日』に300人以上が来場

　大阪に本社を構える美容ディーラーの（株）リーディアル（橋本健治代表取締役）は、“関西の美容を盛り上げる！”をコンセプトとした「MIRARERU　project」の一環として、美容師を対象に“美容師として働く喜びを再認識してもらう”ためのイベント「人生に寄り添う美容を本気で考える日」を9月19日（月・祝）、大阪府大阪市の梅田サウスホールで3年ぶりに開催した。
　同イベントは、美容業界人のみならず、写真家や建築家など「人生に寄り添う」ことを信念にしている他業種の有識者も招へいし、スペシャル対談やカンファレンス、セミナーなどを展開。その模様は、オンラインでもライブ配信された。

当日の模様はYouTube公式チャンネルでも公開中

　当日、大型台風の影響がありながらも多数の美容師が来場。会場のホールでは、メーカーや商社など協賛企業がブースを出展し、製品のデモンストレーションを行ったり、機器の体験コーナーを設けたりする中で、新製品・イチ押し商品を、メニューやサービスと連動させた美容の最新トレンドとして提案した。

　一方で、美容業界におけるSDGsとして、同社が取り組むカラーチューブ回収コーナーや、ラオスの美容・経済発展に寄与する「ラオスビューティープロジェクト」を紹介した他、古着を回収するコーナーも設置し、環境や時代を考慮した美容業界への進化を来場者に意識付けた。

▲展示ブースでは、業界の現状をボードに資料としてまとめて掲示しながら、注目のメニューやサービスを提案。

▲訪問美容で車椅子のお客さまに施術する際のポイントを解説。

▲ヘアカラー容器のリサイクルによる海外支援活動を紹介。

　ステージでは、業界内外の識者を招いてのトークライブ、技術セミナーなどが順次行われる充実したプログラムを構成。冒頭のスペシャル対談では、イグレック会長の湯谷純明氏、ブーケヘアデザイナーズ代表の力丸正啓氏の2人のリーダーに加え、（株）リーディアルの橋本社長が登壇。「世代が違っても変わらない大切なもの。」をテーマに、美容師が大切にすべきことについて、ファシリテーターを務めるヘアライターの佐藤友美氏が、それぞれの意見を引き出した。

▲美容師にとって大切なことを熱弁するイグレック・湯谷純明氏（スクリーン）。

　対談の中で湯谷氏は「美容師はよもやま話が大事。そこにヘアデザインのヒントが隠されている」と持論を展開。お客さまとのよもやま話を軽んじた結果生じた失敗談も明かし、会場の共感を誘った。一方の力丸氏は「お客さまと長く付き合うためには、お客さまの年齢を重ねられた変化に寄り添った提案が大事」と述べ、安心して任せてもらうため、男性美容師は清潔感も大切と提言した。その後、美容師という職業への魅力を熱く語り合うなど、世代の違う2人のリーダーの考えに、来場した多くの美容師の視線が注がれた。

　異業種の識者を招いた2つのカンファレンスでは、ブライダルプランナー×写真家×建築家、テーラー×看護師×湯灌納棺師の組み合わせで、それぞれのプロ意識や業界外から見た美容師という職業について語られ、医師や理学療法士を招いた「女性の働き方」についてのトークセッションや写真家・ハービー山口氏の講演などからも美容業界に向けた意義深いメッセージがあり、イベントのタイトルである通り“人生に寄り添う美容を本気で考える日”を印象付けた。

▲カンファレンスは、その道の第一人者のプロ意識に触れられる貴重な機会となった。

▲自身が撮影した150点の写真を見せながら
「写真家と美容師との共通点」にも言及した
ハービー山口氏。

　イベントのラストを飾ったのは有名美容師YouTuber・マツカワリュウドウ氏と同じくYouTubeで活躍しているヘアメイクのハヤカワユカリ氏がタッグを組んでヘアカット「THE FIRST CHANGE LIVE」に挑戦。設備が整っていない中で、長年の経験で培った技術とセンスによるハサミさばきを披露し、来場した美容師が自身のサロンで活用できるよう、使用しているハサミやカット技術について細かに説明した。

　施術前、緊張でこわばっていたカットモデルの表情も、施術が進むにつれどんどん明るく晴れやかに変化。マツカワ氏は「昔、ステージ4のがんが見つかったというお客さまとお会いして、その時改めて次に会えなくなってしまうお客さまがいることに気付いた。常にそういうお客さまがいらっしゃることを意識して、さまざまなご事情を抱えながらも自分を頼って来ていただいたお客様に全力でお応えしたい」と常に真剣にお客さまと向き合う自身のスタンスについて熱く語った。