三口産業（株）創立100周年記念祝賀会

金箔業から美容業へ発展した100年の歴史を振り返る

　開会あいさつに登壇した三口社長は、「創立100周年を迎えることができたのは、得意先、仕入れ先をはじめ金融関係や顧問、コンサルタント、さらにはOBを含む社員の皆様、全ての方の厚いご支援、ご指導の賜物と深く感謝しています」と謝意を表した上で、スライドを交えて100年の歩みを振り返った。

　三口社長の説明によると、同社のルーツは金箔業で、創業者である祖父、故・三口金治氏が、金沢で金箔業を営んでいたことがはじまり。戦後、より大きな市場に出ようと大阪に乗り込み、1923年に「三口商店」という小さい会社を設立。本格的に金箔の製造販売を開始したのだという。

　それから10年後、当時流行していた電髪パーマが毛髪に銀紙を巻きつけ、そこに薬剤を流すことでウエーブに変化をつける作業工程であることから、その際に使われた銀紙を美容室に納入しはじめたことで美容業界に参入。時代の流れで薬液パーマ剤の時代に変わり、パーマ液の製造を目的として三口商店から独立した、「三口産業」を設立。本格的に美容メーカーとしての礎を築いた。

　三口社長はさらに実父である2代目社長の故・三口俊夫氏についても言及。「父は早い段階から経営に入り、大変な時期を創業者と共に懸命に働いた。その努力が実り徐々に成長軌道へと乗り出した」と父親の背中を懐かしんだ。また自社製品について、起業のきっかけとなったパーマ剤だけでなく、エアゾール製品への評価も高まり、昭和40年代半ばに発売した強セットスプレー『エメラルド』が、同社の代名詞となったことや、つや出しにこだわった『ルミナトーン』、『黒髪ゴールド』『ウエットフォーム』などヒット商品を挙げ、「エアゾールの“三口”というありがたい異名までいただくようになった」と当時を懐かしんだ。そして、各商品は規制でガスの種類は変化したが、今でも当時のままの品質仕様で販売しているとの解説も添えた。

　90年代以降のヘアカラーブームへの対応については、「後発となったが、酸性カラー、ヘアマニュキア、高発色ヘアダイなどの品質に高い評価をいただいた」と自社を分析。そこで培われた精神は、2020年に立ち上げた『ミアンビューティーブランド』事業の軸として生かされていると熱弁。また、頭皮洗浄システム『ハーブマジック』の開発について、同社の理念である「健康美の具現化」のフラグシップブランドに成長しているとした。

　最後に、創業時からの企業理念である「共存共栄」に並々ならぬ信念をもち、これを継続的かつ具体的に打ち出していきたいとの決意を示し、その上で「取引先とのつながりや信頼関係をもっと強固なものにしたい」との想いを伝えた。

　続けてヒストリームービーを放映後、将来展望を述べる中で、メインブランドを『ミアンビューティー』に切り替えた背景と目的を、三口社長が改めて説明。「ブランド体系の整備と明確化、新しい発想スタイルの構築において、三口のアンサーを明確に訴求、発信するという意味を“ミアン”に込めた。商品力とカウンセリング力を強みとし、今後も新たな挑戦を続けていきます」と力強く語り、今後の方向性を示唆した。

　この後、来賓を代表して、（株）アクティムの溝端日出男代表取締役会長、大阪佐々木化学（株）の松本 孝取締役会長が祝辞を述べ、（株）三菱UFJ銀行上本町支店の福田大介支店長の乾杯発声で祝宴に移行。食事や歓談の他、フルート演奏や特別パフォーマンスの余興を楽しんだ。閉会あいさつには、三口社長の子息である三口浩司氏が登壇。「皆さんと共に、次の50年、100年を築いていきたい。今後も変わらぬご支援をお願いします」と初々しく語り、会場からの喝さいを受けた。

▲三口雅司社長の100年を振り返る開会あいさつ。

▲会場入り口にパネル展示された「三口産業株式会社100年の歩み」。

▲閉会のあいさつを述べる三口社長の子息・三口浩司氏。