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HAIR MODE 2016年8月号 誌上コンテスト結果発表

若手ヘアデザイナーの育成とスキルアップを目指し、厳正な評価を行なっている同コンテスト。
1962年の幕開け以降、54年の歴史のなかで多くの著名スタイリストを輩出してきました。時代性があるか、テーマが反映されているか、シンプルに構成されているか、モデルに似合っているか――。これが、コンテストの趣旨となっています。自分の基礎力を見つめ直したい、力を試したいという方はぜひ挑戦してください。

課題

ウエービー・ボブ

総評

質感表現は上手だが、オリジナリティに乏しい

質感がきれいに出せている作品が多かったと思います。動きのある質感を写真に撮ったときに美しく見せる方法について試行錯誤、経験値が積まれてきて、とてもコンディションが良く見えています。二次元になる際に、ヘアデザインのアウトラインをどうつくればパーマの軽やかさを表現できるのか、というところもよく計算できている作品が多く、皆さんディテールの操作が上手でした。 
一方で、とにかく似ているスタイルが多かった。ウエービー・ボブを踏まえて、いかに似合わせていくか、いかに個性的なスタイルをつくっていくかという点を問うています。出題時に「ウエービー·ボブにしたうえで顔まわりをどうするかが大切だ」と書いたと思いますが、そういうところをもう少し気にしてほしかったです。
そして、女性像をどこに設定していくのかという視点が感じられないものも散見されました。この顔立ちのモデルに、これくらいのレングス設定で、これくらいの強さのパーマをかけるならば、どういう女性像に設定にするのが最も良いか(あるいは、つくりたい女性像があるならば、その逆の発想)ということについて、突き詰めて考えていないように見受けられます。見ていてぐっと引きつけられるものが少なかったのは、そこの設定が甘かったからかもしれません。

『HAIR MODE』編集長 小池入江

佳作1位

阿保麻都香
SHISEIDO(東京都港区)
資生堂美容技術専門学校卒(美容歴8年)

佳作1位
佳作1位
編集長からのコメント:
「ウエービー・ボブ」というテーマをしっかり反映しつつ、見どころを随所に配したデザイン構成で洗練された印象です。フェイスラインのうぶ毛を使って毛流れを表現しているところもいまっぽさを出せているポイントだと思いますし、ライトサイドの耳前の髪をたゆませているところも効いています。顔まわりを中心としたディテールの表現はとても良いのですが、レングスとウエイト設定のバランスがもう一歩。

佳作2位

深野結花
SHISEIDO(東京都港区)
日本美容専門学校卒(美容歴9年)

佳作2位
佳作2位
編集長からのコメント:
モデルの可愛らしく、ファニーなイメージに暖色系の色みとしっかりしたウエーブを似合わせているのが新鮮な印象。やりたいことを、それが似合うモデルでやったという意味で、良い作品だと思います。髪の質感もきれい。でも、シルエットの高さがないほうがおしゃれかもしれません。セオリー通りのバランスではなく、いまっぽいバランスにするためにはどうしらたらいいかもう少し考えてつくるとさらに良くなると思います。

佳作2位

佐藤久美
VISAGE(千葉県松戸市)
東京ヘアメイク専門学校卒(美容歴11年)

佳作2位
佳作2位
編集長からのコメント:
ヘアカラーがモデルによく似合っています。あごラインの設定で、バックにかけて奥行きがあるものを、こういう髪色や質感でつくるのが、取り合わせとして新鮮でした。ただ、全体に細かく散らし過ぎていて、サイドの表面の中間から毛先にかけて、粗い印象になっているのが残念。また、ライトサイドの方がふくらんでいるためか、どこか落ち着かない印象。ボリュームはヘビーサイド側につくったほうがおさまりが良いです。

佳作2位

林 佐知子
SHISEIDO(東京都港区)
高山美容専門学校卒(美容歴9年)

佳作2位
佳作2位
編集長からのコメント:
技術的なことはまったく問題ないと思うのですが、いまこれをつくるのかどうか、という時代性や誌上コンテストでなにを求めているかということを考えると、かなり作為的な印象です。人のためのヘアデザインというよりは、テクニックを見せるためのものになりかけています。この高度なテクニックを使ってどうオシャレに見せていくのか、どうモデルに似合わせていくのか、という視点を持ってみるといいと思います。
2016.08.01
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