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タカラベルモント(株)「地域との協業から考える、サステナブルなものづくり」トークショーとファッションショーを開催
理美容総合メーカーのタカラベルモント(株)(吉川秀隆代表取締役会長兼社長)は、同社アップサイクルプロジェクト「Re:bonis(リボニス)」と大阪・西成発のファッションブランド「NISHINARI YOSHIO(ニシナリヨシオ)」が初めて協業した企画展「最後のオプション」を、10月5日(木)~16日(月)、大阪市内にある同社TB-SQUARE osakaにて開催した。
廃棄レザーが、1点物のファッション作品に変身。地域との協業から考える、サステナブルなものづくり。
『人と地球の「らしさ」輝く社会をつくる。』をサステナビリティポリシーに掲げるタカラベルモント(株)は、西成を創業の地とし、現在も工場を構える同社のものづくりの重要拠点としていることから、今回の企画展・イベントにおいては、SDGs12(つくる責任つかう責任)を推進。Re:bonisの活動を通じて地域社会へ貢献していきたい、との想いが込められた。
企画展は入場無料で、西成のおばちゃんたちのアイデアから生まれた同ブランドのアイテムに、同社のプロフェショナル用椅子の製造過程で生じる廃棄レザ―を活用したTシャツやパンツなど、プロジェクトにおいて制作された16点が紹介された。
初日の5日(木)午前11時からは、メディアや関係者向けイベントとして、同ブランドを立ち上げた東京藝術大学准教授の美術家・西尾美也氏と、制作活動拠点である西成区のkioku手芸館「たんす」を運営し、地域発の創造活動を展開する(一社)brk collective代表・松尾真由子氏をゲストに迎えたトークショーを展開。展示作品に関連付けたミニファッションショーも行われた。
トークショーにおいて西尾氏は、プロジェクトに協力した理由について「NISHINARI YOSHIの活動でも、使わなくなった端切れを商品に再利用することをしていたので、『Re:bonis』の廃材をアップサイクルするというスタンスに共感する部分が大きかった」ことを挙げた。一方の松尾氏は、レザーを使った作品づくりについて「普段使う生地と違うので、最初は縫えるかな、と思ったけれど、いい作品ができました」と手応えを語った。
ミニファッションショーでは、タカラベルモント(株)大阪工場の従業員4人がモデルとなり、Tシャツのほか、工場の作業着を土台に制作した上着やパンツ、工場の職人のものづくりに対する一言を刺繍した、まさに“背中で語る”ベストといえる作品を着用して登場した。
西尾氏は、今回の企画によって、NISHINARI YOSHIOのアイテムをつくる地域のおばちゃんたちと、タカラベルモントの従業員に今までにないつながりが生まれたことを宣言。「ファッションは対話のきっかけになっていくものであるべきだと思っている。つながりがこうして作品になり、いろんな人に共感を得て、つながりの輪が広がってよりより社会になっていけば」と話した。
最後に、同社広報室の石川由紀子氏が「企業は持続可能な社会の実現に向け、産業廃棄物の問題に向きあう必要がある。ものづくり企業として、地域の皆様とともに社会課題と向き合っていきたい」と改めて決意を宣言した。