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NHDK 2024 New Hair Mode「Ombre et Lumiere(オンブル・エ・ルミエール)」を発表
美容協同組合 日本ヘアデザイン協会(以下NHDK、横田敏一理事長)は、1月30日(火)16時より東京都渋谷区の渋谷区文化総合センター大和田「さくらホール」で、「NHDK 2024 New Hair Mode発表会 & Tokyo Show」を開催。ニューヘアモード創作設定プロジェクト委員会(計良宏文委員長)がファッションのトレンドを読み解いてヘアスタイルへと落とし込んだ、今年のニューヘアモードを「Ombre et Lumiere(オンブル・エ・ルミエール)」を発表した。
相反する要素を併せ持つミステリアスな女性をイメージ
年頭のあいさつに立った横田敏一理事長は、能登半島地震の犠牲者に対して追悼の意を表し、被災者に向けてお見舞いの言葉を述べた上で、開催に至るまでの胸中を振り返り、「70周年を迎える2年後の2026年に向けて、さらに新しい提案をしていきたい」と意欲を語った。
当日は例年通り、第1部は「NHDK 2024 New Hair Mode発表会」で、第2部は東日本支部の企画による「Tokyo Show」と、2部構成のプログラムが組まれた。
同発表会では、2024ニューヘアモード創作設定プロジェクトの設定委員およびモード委員による「オンブル・エ・ルミエール」のバリエーションスタイル提案でスタート。続けて基本スタイルに仕上げられたモデルとともに計良宏文ニューヘアモード創作設定プロジェクト委員長が登場し、ヘアデザインに関する解説を行った。
「オンブル・エ・ルミエール」はフランス語で直訳すると「影と光」の意味を持ち、ヘアスタイルにおいては、“強さとしなやかさ”“マスキュリンとフェミニン”“機能性とトレンド”など、相反する要素を併せ持ちながら、自分らしさを確立しているミステリアスな女性をイメージ。
1つのヘアデザインに絞り込まず、スリークでタイトなソフトジオメトリック、オフザフェースでスクエアなフォルムと2つのアプローチでボブスタイルを提案し、その人の好みやライフスタイルに応じた提案ができる仕掛けになっているという。
それらを踏まえた上で、石渡智花、桜井靖浩、松木宏紀各副委員長が、技術解説をしながらデモンストレーションを行い、三様のヘアスタイルを仕上げた。
第2部の「Tokyo Show」は、「Neo Origin」をテーマに3ステージを構成。トリのステージでは、偉大な美容家を父に持つ石渡智花、堀部真生両氏が、「シュルレアリスム」をタイトルとして、受け継いだ美容師としての普遍的な価値の追求に対する思いを作品に込めた。
NHDK 2024 New Hair Mode
「Ombre et Lumiere」解説
《創作の背景》
Y2Kやジェンダーレス、Kビューティーというキーワードが定着し継続していく中で、今年、パリで開催されるオリンピックから新しいテクノロジーによる機能性を重視したファッションがトレンドに影響を与えます。一方で、生成AIの台頭からのゆり戻しにより、本質的な価値が再注目されています。
流行が多様化する中で、よりパーソナル化が進み、「みんながしているから」ではなく、「私がしたいスタイル」へと、意識の変化が見られます。トレンドを上手に取り入れながら、自分らしいスタイルを確立する新しい時代が始まります。
今期は異なるアプローチで2つのヘアデザインを創作しました。一つは90年代の影響から、オフザフェイスでスクエアなフォルムのデザインと、スリークなソフトジオメトリックのボブスタイルです。どちらもオーバーサイズのトップスに対してミニマムに仕上げたヘアデザインです。相反する要素をトレンドと上手にMIXしながら、年代や性別を問わず自分らしいスタイルを楽しんでいただければと思います。
スクエアシルエットでラフな感覚のツーブロックカット
Cut
・ぼんのくぼから眉尻をつなぐラインをブロッキングし、トップとアンダーセクションに分ける。
・アンダーセクションはガイドを襟足3センチ程~耳たぶほどの長さに設定し、スムーズな毛流れを意識して、縦スライスでセイムレングスにレザーでテーパーリングカット。
・バックセクションのミドル~トップは、水平ラインのボブのアウトラインを作る。
・サイドは頬骨辺りに向けてやや前上がりのボブにカット。
・スクエア感を出すためにクラウン部分の毛束を垂直に持ち上げて若干短めにカットし、それ以外の毛束を引き上げて繋ぐ要領で角を切り落とす。
・トップセクション全体を縦スライスで、レザーによる充分なテーパリングで毛束作りをし、毛流がストレスなくスムーズに動くように調整。
・ドライ後、同様に毛束感と毛量調整をする。
Color
ベースを14レベル以上にリフトアップ。
ヘアマニキュア若しくはトナーを使用して、8~10レベルほどの明度と色味の異なるブラウンを、毛束を分け取りながらランダムに塗り、自然でお洒落な表情を演出する。
Styling
ハーフウェットの状態で油分が多めのヘアクリーム、またはバームとジェルを2:1の割合で混ぜて手櫛でオールバックに。
フロントやサイドの生え際は多少動きを出すために指先で毛束を散らしナチュラルな表情を作る。
ショートバングのソフトジオメトリックなボブスタイル
Cut
・ネープを約3cmでスクエアにカット。
・サイドはツーセクションにわけオンベースに引出し少し前にオーバーダイレクションをかけレザーでカット。
・その時ネープのブラント感を削らずにレイヤーを入れる。
・オーバーはマッシュベースでフロントは目の上、サイドは耳上、バックはぼんのくぼの下をイメージしバイアスでカット。
・フロントのライトサイドは額の半分の長さでラウンドでカットし、ヘビーサイドはライトサイドより1cm程長めにカット。
・ドライ後、チェックカットを施し量感調整をする。
Color
ベースを16レベルまでリフトアップ。
その後、約2cm幅でヘムラインから耳後ろ1cmまで、ジグザグにブロッキングする。
フロントは4レベルのブルーブラック、残りを6レベルのシルバーグレーに染め、よりタイトな印象を演出。
Styling
放射線状にドライし、ツヤが出るようにブロードライ。
少しアクセントが付けたい場合は前髪をストレートアイロンで軽くカールにし、バームやオイルを使ってスタイリングする。
目尻を強調したアイスピックアイラインメイク
Make-up(共通)
ファンデーションは極力薄めに肌の赤みのみカバーし、ルースパウダーをブラシで重ね、素肌っぽい透明感を残しつつ、ややハーフマットな肌に仕上げる。
ベージュからブラウンのアイカラーを上まぶた全体にソフトにぼかし、まぶたの立体感を演出。
ポイントとなるアイラインは、下まつ毛の生え際にブラックのアイラインペンシルで水平気味に描き、目尻からこめかみにかけて延長するようにスッと先細に描く。
マスカラを上下に塗布し目元を強調。
チークはコーラル~ブラウン系のカラーで頬骨の下を目安にややシャープなイメージで、立体感を感じるようにぼかす。
リップはモデレートカラーのリップでナチュラルに。