8月1日発売「ヘアモード」9月号の特集はここがスゴイ...
「この町いちばんのヘアデザイナーになる!」をコンセプトに、毎月独特の視点で、ヘアデザインやそれをつくり出す技...
サロンで一緒に働くオーナーや先輩と真面目に話してみる企画。フェミニンヘアならおまかせのご存じ『AFLOAT』から、伊輪宣幸さんが代表の宮村浩気さんに「売上げ」トークを申し込みました。なんだか似てる2人のおしゃべりスタート!
宮村:デビューして何年だっけ?
伊輪:丸6年です。
宮村:6年で月の売上げが600万円。結果が出せているね。
伊輪:ありがとうございます! 僕、宮村さんの著書『1200万スタイリストの仕事』をバイブルにしているんです! 美容学校生の頃に出会って、毎日持ち歩いていました。気になる部分にマーカーを引いたり、知りたいキーワードを書き出したりして、自分で目次までつくりました。人生の教科書ですよ。だから、今の倍の1200万円の売上げを上げたいんです。
宮村:さすが熱血漢。あの本は、僕がどうやって売上げを伸ばしたのか、美容師として成功するためにはどういう考え方・モチベーションでいればいいのか、といった話が中心だった。僕が売上げについてよく言うことを覚えている?
伊輪:売上げを上げるのは簡単だ。
宮村:そう。「100万の壁」なんて言う人がいるけど、100万なんてすぐだから。やるべきことをやっていないから、壁になっちゃうの。自分で限界を決めているだけなんだよね。
伊輪:アシスタントの頃はよくわかっていませんでしたが、「簡単だ」「すぐだ」と宮村さんが言い続けるのは、常に前向きに捉える思考回路をスタッフ全員に身につけさせようとしているからですよね。
宮村:わかってきた? 簡単なことを難しく考えすぎると壁が高くなっちゃうからね。前向きな思考で物事と向き合ってほしいんだよ。でも「100万円はカンタン」という資料を僕がつくっても、やらない人はやらないし、やる人はやる。伊輪くんは自分で足を使って集客しているよね。僕もやっていたから結果が出た。だから、やっている伊輪くんが結果を出せているのは当然のことだと思う。
伊輪:ありがとうございます! 売上げを上げるには接客人数を増やす必要がありますが、お客さまの満足度を上げるために気をつけていたことはありますか?
宮村:スピードを上げることと、勝負所をどうするか。お客さまとの会話に時間がとれない分、技術で見せるしかなくて、ヘアスタイルの評判とどれだけ似合っているかということを極めようと思っていたかな。変な話、切っているときに聞こえるんだよね、髪の声が。「ここは切っていいけど、ここは切っちゃダメだよ」という感じで、髪から伝わって聞こえてくるの。髪って多いところもあれば少ないところもあるし、生えグセも人それぞれ違うよね。髪の声が聞こえないと、切ってはいけないところまで切ってしまうんだよ。
伊輪:まさに感覚のカリスマ!
宮村:伊輪くんから売上げの相談を受けたことがないけど、売上げに対しての今の意気込みは?
伊輪:やっぱり1200万円にこだわりたいです。売上げが上がることで、「僕って人気者なんだなあ」って勘違いできるじゃないですか(笑)。楽しみでしかないです。
宮村:伊輪くんらしいね。
伊輪:売上げに伸び悩む時期もありましたが、宮村さんの「100万なんてすぐ」という言葉を思い出すと、ネガティブになっていたマインドをポジティブに切り替えることができるんですよね。
宮村:それ、すごく大切だよ。
伊輪:宮村さんは「売上げを上げろ」とは絶対に言わないですよね。
宮村:言わないね。僕の仕事はじっと待つことだから。『AFLOAT』のスタイリストが認めてスタイリストにしたセンスのある人たちだから、信じてじっと待つ。
伊輪:さすが器が違う!
宮村:人ってまわりから強要されるとやらなくなるものじゃない? だから口は出さない。とにかく待つ。待っていると、どこかで「やらなきゃ」って絶対に気づくから。自分からやろうと思ったときに人って伸びるんだよね。少し結果が出てくると楽しくなって、もっとやってみようとなるんだと思う。
伊輪:「やれ」とは言いませんが、「こういうのもいいんじゃない」みたいな言い方できっかけをつくってくれますよね。売上げを上げるためにはアシスタントの力がすごく重要だと思うので、真似したいのですがなかなか……。中には伸びるまでに時間がかかる人もいますが、苛立つことはないですか?
宮村:ないよ。どのタイミングで伸びるかなんてわからないからね。もしかしたらずっと伸びない人もいるかもしれないけど、「これじゃダメだ」とその人なりに危機感を持ってやっているかもしれないし、「何かしよう」と思っているかもしれない。だから、ただ待つだけ。
伊輪:かっこいい?
宮村:僕たちは美容師だから、どうしても技術の良し悪しで他のスタイリストのことを判断しがちだけど、お客さまの目線はそうではないよね。そのお客さまにとってのカリスマ美容師は誰なんだろうという視点で見るべき。お客さまによっては僕よりも伊輪くんのほうがカリスマだという人だっているわけなんだから。だから、美容師は人間性も大事なんだよ。
伊輪:本当にそう思います。
宮村:ただ単に、髪を引き出してまっすぐ切ったと言っているうちは、髪の声が聞こえてない(笑)。ウイッグを切っているのと同じ。
伊輪:僕も早く髪の声が聞こえるようになりたいです!
※本記事は、『HAIR MODE 』2016年11月号にて掲載した記事を転載したものです。
みやむら・ひろき/1967年生まれ。長野県出身。山野美容専門学校卒業。2000年『afloat(現・AFLOAT)』設立。
いわ・のぶゆき/1982年生まれ。埼玉県出身。国士舘大学、東京文化美容専門学校を卒業後、2006年『AFLOAT』入社。現在、東京・銀座の『AFLOAT JAPAN』のトップスタイリスト。
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