8月1日発売「ヘアモード」9月号の特集はここがスゴイ...
「この町いちばんのヘアデザイナーになる!」をコンセプトに、毎月独特の視点で、ヘアデザインやそれをつくり出す技...
サロンで一緒に働くオーナーや先輩と改めておしゃべりしてみるこの企画。スタッフ教育や、女性美容師の働き方など、つねにスタッフのことを第一に考えた新しい取り組みをする『apish』。創業から代表の坂巻さんとともに歩む樋口さんが「美容師の仕事」についてトークを申し込みました!
樋口:お互い色々な媒体で取材を受けてきましたが、意外と対談ってレアな経験ですよね?
坂巻:確かにそうかもしれない。『apish』がオープンして18年経つけど、なかなか2人で、こういう風に話すことなかったかもしれないね。ところで樋口さんの最近の活躍は目覚ましいよ。再ブレイク中?
樋口:坂巻さんはいつもそんな風に茶化すんだから! ありがたいことにママさん美容師として働き方をテーマにしたセミナー依頼がすごく増えて、全国各地にお話しに行かせてもらっています。
坂巻:樋口さんから子どもができたと聞いた時すごく嬉しかった反面「もったいないな」とも実は思ったの。というのも当時は世間から「アップの女王」とか「アレンジの女王」とか言われはじめた頃でグイグイいっていた時期だったでしょう。それにJHAのニューカマー部門のファイナリストにもノミネートされて、業界の中でも名が知れはじめた。もうみんなが知ってます、みたいな突き抜けた存在まで達していたらいいけど、まさに成長期だったからね。
樋口:そんなことを坂巻さんは思ってくれていたのですね。私は結婚した時から、いつかは子どもを産みたいと思っていたので、「今かな」というタイミングでした。側から見たら伸びていた時期だったかもしれませんが、私の中ではやりきった感があったのです。だから次の夢でもあった、子どもがほしかったのですよね。
坂巻:今『apish』は現役のママさん美容師が4人もいるけど、それも樋口さんがロールモデルになってくれたから。まさに樋口さんがあの時に子どもを産んで、そして美容師を続けるという決断をしてくれなかったら、今続けてくれている彼女たちももしかしたら辞めてしまっていたかもしれない。
樋口:みんなそれぞれ性格や環境も違うし、復帰のタイミングも違ったから私のケースが参考になったのかどうかはわかりませんが、「産んでもいいんだ」「産んで復帰しても自分の居場所があるんだ」ということを示せたのはよかったのかな、と思いますね。
坂巻:そう、それなんだよ。僕はスタッフたちが楽しく生き生きと美容師を続けてほしいと思っている。だからこそ色々な働き方があっていいと思うし、それを『apish』では叶えてあげたいんだよね。
樋口:『apish』のママさん美容師の中でも出産前同様にバリバリ働いている人もいれば、出産を期にヘアカラーサロンでヘアカラーを極める道を選んだ人もいる。色んな道があるのがいいですよね
坂巻:僕は『apish』のオーナーとして、顧客満足度を上げるだけではなくて従業員満足度を上げることをいつも考えている。だってスタッフが楽しそうに仕事していないと、お客さまをハッピーになんてできないでしょう。だからスタッフがどう働きたいかを尊重したいんだよね。
樋口:坂巻さんのその考え、本当にブレないですよね。そういう風な考えを持っている坂巻さんの元だから、私も今のように復職ができ、自由にのびのびとやれています。産休や時短勤務を決める時も「樋口さんの無理のないような感じでやってー」みたいな良い意味でほったらかし状態でしたよね。
坂巻:樋口さんは僕が何言っても聞かなかったでしょ(笑)。それは冗談として、僕は売上げ以外の「みえない貢献」というものを大切にしているんだよね。樋口さんが『ap
ish』を辞めないで残ってくれたからこそ、子育ての経験を生かしキッズマザーズデイ(サロン内に保育士がいて子どもの面倒を見てくれ、その間に施術を受けることができる)というイベントを企画してくれた。今はそれが『apish』のウリとして定着している。すごくサロンのブランディングに貢献してくれたじゃない。
樋口:うちのスタッフはこのような風通しの良い環境だから、どんどん企画も提案するし、やりたいこともバンバン言ってくれますよね。それが『apish』の活性化、進化へ繋がっています。私もやりたいことがあって。衣装やヘアメイクをトータルプロデュースした七五三や成人式などの撮影会です。
坂巻:それ、いいかもしれないね。僕はスタッが僕のような美容師になりたいとか、憧れてほしいとかは全く思っていない。デザインで頑張りたいと思うなら、コンテストなどに出場したり、専門誌にバンバン売り込みに行ってほしい。教育で頑張りたいなら美容学校の先生をやってもいい。みんなが同じワークスタイルではなく10人美容師がいたら、10通りのワークスタイルがあっていいと思うし、やりたいことは挑戦してほしい。
樋口:みんな得手不得手があります。だから得意だったり好きな分野を伸ばしていける環境があるって本当にありがたいです。
坂巻:ところで樋口さんは、今後どんな風に働いていきたいの?
樋口:最近、色々なところで言ってますが、やりたいことをすべやる「日本一ワガママなママさん美容師」です。
坂巻:樋口さんらしくて素晴らしいね。これからもどんどんサポートしていくからね。
樋口:よろしくお願いします!
さかまき・てつや/1962年生まれ。千葉県出身。パリー美容専門学校(現パリ総合美容専門学校千葉校)卒業後、都内1店舗を経て、’98年に東京・原宿に『apish』を設立。現在、青山、原宿、表参道、神奈川に計7店舗を展開する。
ひぐち・いづみ/1974年生まれ。長野県出身。国際文化理容美容専門学校卒業。都内1店舗を経て、1998年『apish』のオープニングに参加。現在、同青山店トップスタイリスト兼プレス担当。
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