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どうせ撮るなら、撮られるなら、フォトジェニックがいい。光や、シチュエーション別などで変わるヘア&メイクと、最適な撮影方法をジャッキーさん[AFLOAT]が伝授! 連載の第5回は、自然光で撮影する方法について。
一眼レフのモードダイヤルを見てみると、アルファベットが並んでいます。カメラが自動で設定するのか、撮影者が設定するのかを決められます。今回は「M」のマニュアルで、目指す写真に合わせて撮れるように設定します。マニュアル撮影の達人になれば、プログラムオートでは撮れない、自分らしさのある写真が撮れるようになります。
【モードダイヤルのアルファベットの意味】
●M……マニュアル
撮影者がシャッタースピードと絞りを設定する。
●Av……絞り優先
撮影者が絞りを決定すると、自動で最適なシャッタースピードになる。
●Tv……シャッタースピード優先
撮影者がシャッタースピードを決定し、最適な絞りに自動設定される。
●P……プログラムオート
シャッタースピード、絞りは自動的に決定される。
【ジャッキー’s advice】
「適正よりもアンダー(暗め)で撮りたいときや、“絞り・明るさ・暗さ”のイメージがある場合はマニュアルで撮りましょう。ちなみに、ヘアスタイルの撮影においては、Tv(シャッタースピード優先)はあまり使いません」
自然光でマニュアル撮影をする場合、まずはこの数値に設定するのがジャッキー流。
●ISO感度……100
●シャッタースピード……1/80
●絞り(f値)……f2.8
●ホワイトバランス……オート
●露出補正……標準
【ジャッキー’s advice】
「まずは絞りf2.8と、シャッタースピード1/80を設定したら、ISO100からスタートしましょう。このテッパン設定で明るさが十分な場所を探します。曇りなどで、室内に入る光がどうしても暗いときは、ISOの数字を上げて撮影します」
●ISO感度とは
光量に応じて設定し、暗い場所でも手ブレせずに被写体を撮影できるようにする。感度は上げれば上げるほどノイズが多くなり、画質が悪くなる。
●シャッタースピードとは
露出時間をコントロールして、被写体の動きを止めたり、ブラしたりできいるのがシャッタースピード。速いと写真は暗くなり、遅いと明るくなる。
●絞り(f値)とは
絞りとは、光の入る量を調整して、被写体をくっきり見せたり、ぼかしたりする機能。f値が小さいと明るい写真になり、ピントがあったところ以外はボケる。逆にf値が大きいと暗くなり、ピントが合ったところ以外もボケない。
●ホワイトバランスとは
白いものを白く写すために設定し、被写体の色の再現性を高めるのがホワイトバランス。
●露出補正とは
写真を明るくしたり、暗くしたり、露出補正とは自分の思い通りに明るさをコントロールする機能。
明るい自然な雰囲気で撮影できるベストな環境は、下の写真のような場所です。特に、やわらかく、ふんわりした透け感のある雰囲気に撮りたいときは、日光が直接当たらないところを選びましょう。直射日光を当てるときは、光と影で遊びたい、少しドラマチックなイメージに変化させたいなど、画として遊びたいときに有効な方法です。
●白壁
ヘアスタイルをしっかり見せたい場合、被写体(モデル)の背景は白壁がベター。背景を窓にする場合は、逆光で髪の毛のアウトラインが溶けてしまう可能性があるので、注意が必要です。
●窓
自然光撮影で、必須なのがもちろん窓。採光のとれる窓が設置されている空間を確保することがマスト。
【ジャッキー’s advice】
「僕が自然光で撮影するときは、バウンス板やレフ板は使いません。自然な肌の感じや、光の具合を大切にしているからです。撮りたい写真のイメージや、肌と髪の質感によって、バウンス板を使うか使わないかを決めましょう」
衣装は写真全体のイメージを決定するうえでも重要なポイントです。最終的なイメージに合わせて、色、フォルム、袖の長さ、首まわりのあき具合、素材(ツルツル、ふわふわ、木綿系、マット系など)、柄のあり・なし、アクセサリーの有無などを決めましょう。特に、髪をキレイに見せたい撮影の場合、髪のレングスが長いと、首まわりのあき具合や、服の色はが影響するので、気を配りたいところです。
衣装を決定したら、下記の手順でヘアメイクを完成させます。
連載1回めは自然光で撮影編 メイクアップ①
連載2回めは自然光で撮影編 メイクアップ②
連載3回めは自然光で撮影編 ヘアスタイリング①
連載4回めは自然光で撮影編 ヘアスタイリング②
ここからはジャッキーさんの撮影の様子を追いかけていきます!
今回は、サロンのあるビルの階段に出て撮影を続けました。
撮影のときの細かいあれこれについて、ジャッキーさんに聞きました。
——撮影するときのコツやポイントは何ですか?
撮影においてよく言われるのは、実際に見ているモデルは三次元で、画面にうつったものは二次元。だから、目で見ているものにいかに近づけるかが大切です。ヘアスタイルは実際よりも大げさにつくるほうが、写真で見たときにちょうどいいです。何度撮影をしても、撮っては直して、また撮る、の繰り返しです。
——ジャッキーさんのように上手に撮影できるようになるまで、どうしたらいいですか?
どんな感じに撮りたいか、ゴール地点がないとダメだと思います。髪をどう撮りたいのか、何も決めずに撮り続けていると、撮れた写真は明るいのがいいのか、暗いのがいいのかも判断できません。自分の中のゴールを持って撮ってみてください。また、よくあるのは、「モデルの表情はかわいいけど、髪が見えない」ということ。それはNGです! どんなにかわいく撮れても、ゴール地点と違う写真ですから。
——モデルのポージングはどうしたらいいですか?
最初は考えずに、とにかく髪がキレイに見える角度を探すこと。モデルにも髪がくずれない動きをお願いしましょう。
——外で撮影するときのポイントは何ですか?
外での撮影は天候に左右されるので、髪をキレイに撮りたいときはなかなか難しいです。ロングヘアは風でかたちが決まりにくいので、避けたほうが無難です。はじめて外で撮影するときは、短めレングスでトライしましょう。
——背景選びのポイントは何ですか?
ヘアスタイルや衣装が、背景の雰囲気と合っているかどうかです。最初は被写体の邪魔にならない背景選びが大切です。
自然光で撮影編は今回で終わりです。
次回はロケ撮影編。
お楽しみに!
連載1回めは自然光で撮影編 メイクアップ①
連載2回めは自然光で撮影編 メイクアップ②
連載3回めは自然光で撮影編 ヘアスタイリング①
連載4回めは自然光で撮影編 ヘアスタイリング②
1978年生まれ。香川県出身。香川理容美容アカデミー卒業後、香川県内2店舗を経て、2008年『AFLOAT』入社。現在『AFLOAT D’L』ヘアクリエイター。