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髪色に対する日本人の価値観が変化している。ただ黒いだけでなく、個々に合った美しさの表現が求められている。
解説/坂本 淳[(株)ミルボン]
日本人の黒髪は、時代や環境により変化しています。特に美容師の方が最近感じている変化は、日本人の髪色が、昔と比べてだいぶ明るくなってきているということ。現在40代以上の方は毛髪が太く、暗めの人が多い一方、20代以下になると明るい髪の人が極度に増えている、という話をよく耳にします。その原因は、まだ明らかにされていませんが、ライフスタイルの変化により、毛髪内部の微量成分に、何らかの違いが生じているとの想像ができます。
というのも私は以前、講習活動などで中国や韓国、台湾を訪れ、現地の女性の髪を扱う機会が多くありましたが、同じ黒髪でも、日本人の髪より、太さや弾力を感じたり、脂っぽい髪があったり、髪質はさまざまでした。断言はできませんが、食生活や摂取している水の違いが、髪質の違いと関係しているように思います。
そうした時代や文化による差異に加えて、個人間でも髪質は千差があります。このため、ヘアカラーにおいても、「黒髪にはこの色が合う」と1つにくくるのではなく、それぞれの人に合ったトーン、色相があるという見方が、これからますます必要になると考えています。
そこで着目しているのが、瞳の明るさと肌の色です。 まず、瞳の明るさに目を向けたのは、髪の明るさによって、瞳の美しさが左右されるからです。日本人の瞳は黒~ブラウンが大半で、明るさとしては6~10レベルが多いです。髪を明るくしたいと考えたとき、あまりにかけ離れると瞳との明るさのバランスに違和感があります。瞳が最も自然で美しく輝くのは髪の明るさは、プラス2レベルほど。8~12レベル前後が最適と考えられます。
そして色みについては、肌色との相性がとても重要。髪色と肌色は隣り合うため、並びで見た相性も大切ですが、それだけでなく、髪色が反射した際の肌色の見え方も考える必要があります。
この両方を踏まえ、暖色系、寒色系など、その人に合う色、いわゆるパーソナルカラーを導き出します。 こうした提案をするのは、日本人女性に、その人が輝くヘアカラーをファッショナブルに楽しんでほしいからです。
白髪は、根元が伸びてくるとどうしても目立ちますので、年齢を重ねるほどヘアカラーの必要性が高まります。白髪染めはダーク系のワンメイクになりがちですが、どんな年齢であれ自身に似合う明るさにできれば、ヘアファッションへのモチベーションがもっと高まることでしょう。
※本記事は、『HAIR MODE 』および『HAIR MODE digital 』2017年7月号にて掲載した記事を転載したものです。
さかもと・あつし/1878年生まれ。山梨県出身。千葉工業大学大学院 工業化学科専攻 遺伝子工学。(株)ミルボンには13年勤続。カラーチーフスペシャリストとしてセミナー講師を務める他、SPCコンテスト、UNITED DANKSコンテストなど審査員も担う。
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