【連載企画Vol.1】伸びしろは、ここにある!デザインカラーアプローチ「先入観を取っ払え!地域の潜在的な『ブリーチ』ニーズを掘り起こす」/齋藤勇磨×『edol yoyo』
町のお客さまを開拓し、さらなる支持を受けるカギを巧みなデザインカラー提案で見出した、全国各地の美容師に突撃取材!彼らの成功談をヒントに、売れっ子スタイリストへの道を駆け上がろう。第1回は、齋藤勇磨さん[hairsalon de Forever(東京都板橋区)]。
◎Interview_齋藤勇磨さん[hairsalon de Forever]
齋藤勇磨
さいとう・ゆうま/1987年生まれ。北海道出身。札幌ベルエポック美容専門学校卒業。都内2店舗を経て、2011年『hairsalon de Forever』入社。現在、同サロンの取締役兼統括マネージャー。
[SALON DATA]
hairsalon de Forever
所在地:東京都板橋区に3店舗
セット面:各7、11、17面/スタッフ数:22人
[STYLIST DATA]
メイン客層:30~50代の女性
ヘアカラー比率(うちブリーチ比率):40%(20%)
お客さまは新鮮な提案をひそかに待っている
『hairsalon de Forever』がある東京都板橋区は、ファミリー層が多いベッドタウンで、23区の中でも庶民的な印象が強い。一見デザインカラーの提案には不向きだと感じるこの町で、インナーカラーやハイライトを打ち出し、支持を得ているのが、同サロンの齋藤勇磨さん。齋藤さんがデザインカラーに取り組み始めた理由は、アプローチの幅を広げるためだったという。
「僕の顧客にレングスチェンジもパーマもNGの方がいました。それまで暗い色のヘアカラーばかりだったのですが、何か新しいアプローチをしたくて、思い切ってインナーカラーをすすめてみたんです。すると『試してみたい』との答えが!これを機に他の方にも提案すると、反応は上々。お客さまの中には、もともと銀座の有名美容室に通っていたという人もいます。郊外住まいだからといって、美容やトレンドに対する感度が低いわけではないと実感しました」
デザインカラーは「保守的なエリアだと、まだライバルが少ない」そう。“おしゃれ欲”を満たしたい近所のお客さまをデザインカラーで囲い込むなら、今がチャンスかもしれない。
■アプローチ_1
「試してみたい」の声、続出!全顧客にデザインカラーを提案
齋藤さんは、大人世代も含めたヘアカラー客に対して積極的にインナーカラーやハイライトを提案し、客単価アップに成功!「郊外や地方には、都心の美容室へ行くのは面倒だけれどトレンドヘアに関心があるという人が多い。逆に言えば、近所の美容室で試せるならやってみたいと考えるお客さまがたくさんいるんです」と齋藤さん。
■アプローチ_2
大人世代にも似合う上品なインナーカラーを開発
齋藤さんの鉄板インナーカラーは、耳前はビビッドカラーで主張しつつ、耳後ろは明度と彩度を抑えてベースカラーと程よくなじませるデザイン(下記で詳しく解説)。インナーカラーに興味があっても、派手に見えないかと不安で、一歩踏み出せないという大人世代にも取り入れてもらいやすいアプローチだ。
■アプローチ_3
ブリーチ施術に自信があることをビジュアルで訴え、説得力アップ
意外にも、ブリーチは「専門店」でしか行えないと思い込んでいるお客さまも多い。齋藤さんはブリーチ施術の実績をアピールするため、顧客のデザインカラーのビフォーアフターを撮影し、SNSに投稿したり、カウンセリング時に見せたりしている。また、スタッフにもデザインカラーを施し、ブリーチ後のダメージや色の出方のサンプルとして見せられるようにした。まさにスタッフがデザインカラーの広告塔として活躍している。
◎HAIR DESIGN
初ブリーチ客におすすめ!ビビッドカラーを品良く楽しむインナーカラーデザイン
hair design & make-up_Yuma Saito[hairsalon de Forever]
photo_Ayumi Fuse
主役は、サイド内側に入れたビビッドピンクのインナーカラー。バック内側はブリーチでサイドより緩やかに明度を上げた後、ベースと同じまろやかなピンクオレンジをオン。表面と内側のコントラストを和らげ、ブリーチ初心者にも挑戦しやすいデザインに。なお、耳にかければ隠すこともできる。
Before
ライトナーで脱色後にのせたアッシュが退色し、黄みが強く出ている状態。明度は12レベル。髪質は細く、硬さは普通。毛量は多い。カットベースは肩上レングスのボブで、顔周りにレイヤーが入っている。
Process_1
サイドはこめかみ下から耳後ろまで斜めに、バックはヘムラインに沿って三ツ襟までブロッキング。なお、バックセンターは分け取らない。
Process_2
サイドインナーの頭皮ギリギリをはずした根元~毛先に、ブリーチ【A】「エドル ブリーチ」を塗布した後、ホイルに包む。
Process_3
バックインナーの根元~毛先に、ハケを縦に動かしながらブリーチ【A】「エドル ブリーチ」を塗布。この部分はホイルに包まず、ベースとなじむよう緩やかにリフトアップさせる。
Process_4
ブリーチ【A】「エドル ブリーチ」を塗布し終えた状態。このまま20~25分放置する。
After bleach
サイドインナーは15レベル、バックインナーは13レベルまでリフトアップ。
Recipe_1
【A】ブリーチ/「エドル ブリーチ」+「エドル オキシ」(6%:2%=1:1)(2倍)
Process_5
ウエット状態で、サイドのブリーチ部にビビッドなピンクの塩基性カラー剤【B】を塗布する。
Process_6
バックのブリーチ部とベースは、まろやかなピンクオレンジのアルカリカラー剤【C】を塗布する。20分放置後、水洗。
Recipe_2
【B】インナーカラー(サイド)/「エドル ヨヨ」Ultra Pink
【C】ベース、インナーカラー(バック)/「エドル」P:O-7:WV-9=2:1:1+「エドル オキシ」(6%:2%=1:1)
Styling Point
サイドインナーをやや前方に引き出し、ストレートアイロンでアール状の毛流れを付ける。インナーカラーを顔周りで弾ませ、その存在感をさりげなく主張する。
◆Arrange Version
サイドインナーを耳にかけて表面をかぶせれば、インナーカラーを隠すこともできる!
◎「エドル ヨヨ」開発ウラ話①
齋藤さんも愛用するルベルの塩基性カラーライン「エドル ヨヨ」。その“見えない”こだわりに迫る!
思い通りの発色を実現するためほんの少しだけ色を“ずらす”
「エドル ヨヨ」のプライマリーラインは、使用頻度が高いベーシックな7色展開。しかし、その染料構成は“ベーシック”ではなく、ブリーチ後に残る黄みや退色の過程、クリアと混ぜたときの色の出方などを見越し、少しだけ隣の色相にずらして設定されたものも。つまり、サロンワークの現場で行っていた微調整がすでになされている塩基性カラーが、「エドル ヨヨ」なのだ!
◎Product Information
エドル ブリーチ(販売名:パウダーブリーチLB)
<医薬部外品> 500g
エドルn
<医薬部外品> 80g
全77色+ライトナー(LT,LT-EX)、クリア(CLR-PX)、アイボリー(IV)
エドル ヨヨ
<染毛料/化粧品> 120g(クリアのみ400g)
全12色+クリア
<ヘアカラーのご注意>
●使用上の注意をよく読んで、正しくお使いください。
●ヘアカラーでかぶれたことのある方には絶対に使用しないでください。
●ご使用前には毎回必ず皮膚アレルギー試験(パッチテスト)をしてください。
<ブリーチのご注意>
●使用上の注意をよく読んで、正しくお使いください。
●過硫酸塩配合の製品でかぶれたことのある方には絶対に使用しないでください。
●本品は過硫酸塩配合の製品で、アレルギー反応をおこすことがあります。
2023.06.01
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