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時代と密接な関係にある現代アートの世界。「今」をどう捉え、作品へと昇華するのか。
──松井さんは、どういったところに「今」を感じるのでしょうか。
松井 海外に行くと、異なる文化に驚いたり、私たちと同じ感覚に出会ったりする中で、「今」という時代が感じられることは多いように思います。日本から離れることで、ある意味、〝傍観者〟でいられるんです。私は多くの作品で自画像をモチーフにしていますが、いろんな角度で自分の顔を見てから、改めて正面から眺めると、いつもの印象と違って見えることがあります。その感覚に似ているのかもしれません。
──自画像にこだわるのはなぜですか。
松井 自画像は、私が今どこにいるのかを教えてくれるGPSのようなものだからです。今の私が、どういうことに興味を持って、何を訴えたいと思っているのか、必ず作品には表れているんです。
──ご自身の「今」が作品に記録されるわけですね。
松井 そうですね、日記のような感覚かもしれません。私の作品は、日常の小さな発見や、ふと思いついた内容をダイナミックに表現したもの。そのように「今」を切り取った作品によって、見る人と今の感覚を共有したいと思っています。
──少女漫画や玩具など、レトロなものをモチーフにされることもありますね。
松井 バブル時代のネタをするタレントの平野ノラさんは、当時を知らない若い世代にも人気がありますよね。同じように、昔のものをモチーフにしても、私というフィルターを通して再構築することで、その感覚を「新しい」と受け止めてもらえることがあります。何が古くて、何が今っぽいかは、どれだけ共感してくれる人がいるか、ということかもしれません。
※本記事は、『HAIR MODE 』および『HAIR MODE digital 』2017年9月号にて掲載した記事を転載したものです。
まつい・えりな/1984年生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修了。2004年に『エビチリ大好き』でデビュー。自画像やウーパールーパーをモチーフとした作品を多く制作する。平成24年度文化庁新進芸術家海外留学制度研修員。
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