新しい「リフレッシュメニュー」でエイジング戦略を成功...
髪のボリュームやハリ・コシ、潤い、頭皮環境などに悩みを持つ大人世代にフィットする『頭頭脳(ととのう)プログラ...
ストレートパーマの還元剤と聞き、何を思い浮かべるだろう。チオグリコール酸、システアミン、もしくはブチロラクトンチオールやGMT?ここでは、それらの影に隠れがちな名還元剤「チオグリセリン」に焦点を当て、ストレート施術の新たなアプローチを模索してみよう。
下記に挙げたどれもが、大人世代の髪に現れるうねりやジリつきの原因になりえる上、複合的に影響している可能性も。クセを伸ばすことを優先すればダメージを助長し、ダメージレベルに合わせて選べばクセが伸びきらない……そんなリスクと隣り合わせで、1液選定をしなければならない。
1.しっとりやわらかな仕上がり
チオグリコール酸アンモニウムやシステアミン塩酸塩など還元剤の中には「塩」の状態であるものが多い。毛髪に塩をたくさん与えると硬くなるが、チオグリセリンは塩ではないので、比較的やわらかいストレートヘアに仕上がる。
2.ダメージレベルに応じた還元速度
チオグリセリンは疎水性が高いため、疎水性の強い健康毛にはスピーディーに作用し、親水性の強いダメージ毛にはゆっくりと作用する。つまり、部分的にダメージレベルに差があっても、塗り分けなしで均一に還元しやすい。
3.高い還元能力
チオグリセリンは還元能力が高く、ノンアルカリでもクセをしっかり伸ばすことができる。そのため、単独の使用だけでなく、他の1液と組み合わせて還元作用のサポートとしても使用できる。
4.臭いがほぼない
還元剤としてメジャーなシステアミンや、酸性1液によく使われるブチロラクトンチオールは、使用時に独特の臭いがあり、施術後の髪に残りやすい。その点、チオグリセリンは無臭なので、お客さまの不快感を軽減できる。
デメリット… チオグリセリンは手あれの原因になりやすい…チオグリセリンの最大のデメリットは、皮膚への刺激が強い点。そのため、チオグリセリン配合の薬液は、お客さまの頭皮に付かないように注意すると共に、使用する際は必ず手袋の着用を。
今までなかったクセが現れたり、髪の質感が悪くなってツヤが失われたりと、年齢を重ねるごとに増えていく髪の悩み。それらを解消し、美しい状態を保つための提案の引き出しを複数持っておくことは、これからの時代を生きる美容師の最重要課題であるといえる。そして、その中でも大人世代からのニーズが高く、マスターしておきたい技術が「ストレートパーマ」だ。
しかし、「大人世代へのストパーアプローチは簡単ではない」と語るのは、美容師としてサロンに立ちながら、パーマやトリートメント関連の薬液を開発するボヤージュコスメティックス代表の安藤順政さんだ。「大人世代の髪は、うねりやパサつきの原因が多岐に渡るため、最適なストレート1液を選択するのは非常に難しいんです。パワーが強すぎれば、「体力」の落ちた加齢毛に取り返しのつかないダメージを与えることになり、弱すぎればクセを伸ばすという目的を果たせない。エイジング毛へのストパーは、『失敗』と隣り合わせの、リスクの高い施術であるという認識でした」複雑な思考が求められる大人客向けのストパー施術を、誰もが取り組めるよう、もっとシンプルに、さらにクオリティーを上げることはできないか。多くの美容師が抱えるこの課題に対し、安藤さんが出した解決策が、還元剤「チオグリセリン」の活用だ。決して真新しい成分ではなく、「手あれの原因になる」としてメーカーからも美容師からも使用を避けられてきたものに今一度注目する意義を、同氏はこう語る。「使い方を誤らなければ、こんなにエイジング毛に向いている還元剤はありません。さまざまな状態の髪が混在していても均一に還元でき、やわらかなストレートヘアをかなえられます」
美容師の頭を悩ませてきた大人髪のストレート施術。チオグリセリンの活用が、それを解消し、逆に強みに変えていく突破口になるかもしれない。
( ㈱ボヤージュコスメティックス 代表 安藤順政 )
ボヤージュコスメティックスの人気ストレート1 液「マルチクリーム」がリニューアルし、チオグリセリンの濃度違いで2 種類がリリースされた。それらの特徴や使い分け方についてチェックしよう。
『アンリミット マルチクリーム3.5』
細毛・軟毛やエイジング毛、ダメージ毛など、ストレート施術が難しいとされる髪のあらゆるクセを美しく伸ばす。部分的に状態が異なる場合でも、チオグリセリンの働きによってワンタッチで均一に作用し、仕上がりはトリートメント後のようなやわらかな質感に。(還元剤:チオグリセリン3.5%/チオ換算:2.98/pH:6.0/アルカリ剤:アルギニン/アルカリ度:0)
『アンリミット マルチクリーム7.0』
「マルチクリーム3.5」よりもチオグリセリンの配合濃度を高くし、より強いクセへの対応力をアップ。単品だと皮膚への刺激が強いため、その他の1液(クリームタイプに限る)やトリートメントに添加剤としてミックスし、還元力と仕上がりの質感を向上させる使い方が◎。(還元剤:チオグリセリン7.0%/チオ換算:5.96/pH:7.5/アルカリ剤:アルギニン/アルカリ度:0.4)
-1- クセや履歴が複雑で、1液の選定に迷う際は「マルチクリーム」をフル活用。3.5をベースに、クセの強弱に合わせて7.0を添加しよう。→CASE1へ
-2- 酸トリートメントに「マルチクリーム7.0」を少量添加。チオグリセリンによる微還元とやわらかな仕上がりで髪質改善効果がアップ。→CASE2へ
-3- 定番の1 液と「マルチクリーム7.0」を組み合わせ、チオグリセリンの特徴を兼ね備えた薬液に。アプローチの幅がぐんと広がるはず。→CASE3へ
CASE 1-1→ デリケートな顔周りのクセを質感の良いストレートに
エイジングによるクセが出やすい顔周りへのアプローチ。髪が細く軟らかい上に、ハイライトが入っていて部分的にダメージレベルに差があることから、幅広い髪質に対応可能な「マルチクリーム3.5」を選択。放置時間を30 分と長めに設定することで、健康部にはすばやく、ダメージ部にはゆっくり作用させる。
CASE 1-2→ 複数のクセが混在するエイジング毛に適切にアプローチ
捻転毛と波状毛が混在する強いクセ毛は、「マルチクリーム3.5」のみでは伸ばし切れない恐れがあるため、3.5 と7.0 を同量でミックスし、仕上がりのやわらかな質感は担保しつつ、還元力をアップ。毛先は、アルカリカラーのダメージが蓄積している&クセがそれほど強くないため、3.5 を単品で使用。放置時間の目安は30 分。
CASE 2-1→ パサつき、広がる髪をしっとり収まり良く整える
アミノ酸の一種であり毛髪の補修効果が期待できるシステインが配合された「シールド」に「マルチクリーム7.0」をミックスすることで、エイジング+アルカリカラーの繰り返しによる質感悪化の解消に適した薬液が完成。広がりを抑え、滑らかで収まりの良い状態へと導く。放置時間の目安は20 分。
CASE 2-2→ ビビり直しにもおすすめ!滑らかヘアがかなうレシピ
ヘアカラー施術と縮毛矯正のダメージに髪が耐えられず、ビビり毛になっているため、ストレート施術は不可。酸熱補整効果のあるトリートメントに「マルチクリーム7.0」をミックスし、チリチリとした質感を滑らかに整える程度の還元力をプラス。ツヤのあるしっとりとした仕上がりに。放置時間の目安は20 分。
酸トリートメントに対する「マルチクリーム7.0」の配合比率 10%
10%添加であれば還元力も弱いため、2液による酸化は不要、ストパーより施術時間が短く済む。
CASE 3-1→ 高い還元力と仕上がりの美しさを両立
アルカリによる膨潤は避けたいものの、強いクセをしっかり伸ばしたいときに適したレシピ。システアミン&チオグリセリンの高い還元力でS-S 結合を切断し、仕上がりはダメージを感じさせないやわらかな質感に。毛先はクセが強くないため、酸トリートメントベースの薬液で対応。放置時間の目安は30分。
CASE 3-2→ ハイダメージの髪には酸性領域の1液をベースに
ダメージレベルが高いため、「アシッドストレート」をメインに「マルチクリーム7.0」をミックス。チオグリセリンはダメージレベルに応じた速度で還元するため、ハイライトが入っていても作用のムラが起こりにくい。毛先はダメージを考慮し、酸トリートメントベースの薬液を塗布。放置時間の目安は30 分。
1液に対する「マルチクリーム7.0」の配合比率 20~30%
通常のクセであれば20%、強いクセであれば30%をミックス。他の「アンリミット」シリーズの1液にもミックス可能!
株式会社ボヤージュコスメティックス(TEL:03-6321-2543)
https://voyagecosmetics.co.jp/
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