• ヘアスタイル

今を感じ取る/松井えり菜

時代と密接な関係にある現代アートの世界。「今」をどう捉え、作品へと昇華するのか。

▲村上 隆氏が主宰する「GEISAI#6」で金賞を受賞した、デビュー作の『エビチリ大好き』(2004年)。同作品はカルティエ現代美術館のコレクションとして所蔵されている。

自分の現在地を示す
自画像というモチーフ

──松井さんは、どういったところに「今」を感じるのでしょうか。 松井 海外に行くと、異なる文化に驚いたり、私たちと同じ感覚に出会ったりする中で、「今」という時代が感じられることは多いように思います。日本から離れることで、ある意味、〝傍観者〟でいられるんです。私は多くの作品で自画像をモチーフにしていますが、いろんな角度で自分の顔を見てから、改めて正面から眺めると、いつもの印象と違って見えることがあります。その感覚に似ているのかもしれません。 ──自画像にこだわるのはなぜですか。 松井 自画像は、私が今どこにいるのかを教えてくれるGPSのようなものだからです。今の私が、どういうことに興味を持って、何を訴えたいと思っているのか、必ず作品には表れているんです。 ──ご自身の「今」が作品に記録されるわけですね。 松井 そうですね、日記のような感覚かもしれません。私の作品は、日常の小さな発見や、ふと思いついた内容をダイナミックに表現したもの。そのように「今」を切り取った作品によって、見る人と今の感覚を共有したいと思っています。 ──少女漫画や玩具など、レトロなものをモチーフにされることもありますね。 松井 バブル時代のネタをするタレントの平野ノラさんは、当時を知らない若い世代にも人気がありますよね。同じように、昔のものをモチーフにしても、私というフィルターを通して再構築することで、その感覚を「新しい」と受け止めてもらえることがあります。何が古くて、何が今っぽいかは、どれだけ共感してくれる人がいるか、ということかもしれません。

自分の現在地を示す<br />
自画像というモチーフ
▲作品の多くが自画像である松井えり菜さん。自画像には「今」の自分が表れるという。

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自画像というモチーフ
▲『なりきりヴィーナスの誕生〜センターはいつだってプレッシャー〜』(2015年)。

自分の現在地を示す<br />
自画像というモチーフ
▲ドイツでの年明けの様子を描いた『Nightmare before New Year 2013』(2013年)。

※本記事は、『HAIR MODE 』および『HAIR MODE digital 』2017年9月号にて掲載した記事を転載したものです。

2018.04.26
松井えり菜
松井えり菜

まつい・えりな/1984年生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修了。2004年に『エビチリ大好き』でデビュー。自画像やウーパールーパーをモチーフとした作品を多く制作する。平成24年度文化庁新進芸術家海外留学制度研修員。

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