メンズ客の“なりたい”が必ず見つかる100スタイルを...
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脱・白髪染めのテーマを冠した新刊『大人のブリーチカラーヘアカタログ』。その単行本化は、ブリーチカラーによるデザインに魅力を感じているミドル、ハイミセス層が非常に多いこと、特にヘアカラーブームと共に年齢を重ねてきた女性は明るいヘアカラーに積極的であるという傾向を鑑み企画された。そして、グレイヘアとブリーチカラーデザインの相性も良好であるという。
ただ、一方で懸念されるのは、既存のダメージや加齢による髪質の変化により、思い通りの色を表現できないこと。そこでお客さまを不安にさせたり、チェレンジを躊躇させないのが、プロフェッショナルの仕事。ヘアカラーを知り尽くす達人の提案力も、本書から吸収することができる。
ブリーチを用いたハイライトデザインで、大人の女性たちから圧倒的な支持を得続けているkakimoto arms。その技術とデザインを支える土台は、何なのでしょうか― 。
同サロンのヘアカラーマネージャーを務め、美容業界を代表するカラーリストの一人でもある岩上晴美さんに聞いてみました。
素材(髪)を分析する
大人のお客さまを対象としたブリーチを含め、ヘアカラーの施術において大切なのは、目指すカラーリングを実現するために必要な知識の習得と、お客さま一人一人で異なる素材(髪)の見極めです。そして、適切な技術を身に付けることだと思います。
私どもkakimoto armsには、「素材分析」という教育カリキュラムがあります。
お客さまの髪の太さ、量、乾燥毛か否か。
メラニン色素のタイプ。
既染毛のティントはウォーム系か、
クール系か、ニュートラルか。
パーマの有無、パーマありの場合はホット系かコールドか。
ブリーチ履歴、トーンダウン履歴から、体質的なアレルギーの有無などに至るまで、多くの項目があります。
いずれもカウンセリング・毛髪診断によって髪の状態を把握し、最適なヘアカラー施術を行う上で、欠かせない知識を習得するカリキュラムです。最近のトレンドで言えば、髪質改善履歴も該当します。酸熱トリートメント系か、縮毛矯正系か、などですね。
知識と並行して、視診や触診も重要です。新生部の長さから、前回のヘアカラー施術時期を推測できます。また、ダメージ度合いなど、視診・触診でなければ分からないことがたくさんあるからです。
上達の近道は練習
技術に関しては、カットやワインディングなどと同じように、反復練習によって習得できるヘアカラーテクニックが数多くあります。
これまで、セミナー等で講師を務めさせていただく機会がありましたが、少し残念に感じていたのは、「ヘアカラーの技術は簡単である」と思われている傾向があり、真剣にヘアカラーの練習に取り組んできた人が、さほど多くないのかもしれないなということでした。
施術に使用するヘアカラー剤や処理剤を変えれば、思い描くカラーデザインを表現できるようになる、と考えている美容師が少なくないのです。ヘアカラー剤、ブリーチ剤、処理剤、これら全てが格段に進化しているのは事実ですが、最新の薬剤を使えば上手にできるようになる、というわけではないのも現実です。
ウイービングにせよリタッチにせよ、チップやパネルの取り方、塗布の仕方なども、トレーニングの量に比例して精度が上がり、仕上がりのクオリティもアップします。感覚や気分でなんとなく、アバウトにやるヘアカラー施術よりも、トレーニングを積み重ねた技術に基づいた施術の方が、美容師とサロン独自の価値は必ず上がります。
技術は、練習をすればするほど上達するものです。カットを一生懸命練習して上手になっていくのと同じように、もっとヘアカラーも練習すれば上達して、お客さまに提案できる幅が広がって多くの方に喜んでいただけるのに、もったいないな、と思います。
ブリーチ剤を既染部に付けない
技術中の注意点として、最も気を付けたいのは、ブリーチによるリタッチの場合、塗布した新生部と既染部を重ねないことです。
重ならないようにペーパーやホイルでカバーしたり、ダッカール等で分けて隔離する工程を行う美容師と、行わない美容師がいると思いますが、これは絶対にカバーや隔離をする方が良いです。ブリーチ剤が既染部に重なると、想定外の箇所にブリーチが作用して、残念な結果を招いてしまうからです。
さて、髪にさまざまな施術履歴やダメージを持つお客さまが少なくない中、1回の来店と施術で理想のブリーチデザインが完成する人は、決して多くありません。半年かかる人もいますし、2年かかる人もいます。
私どもでは、理想のデザインが実現するまでに時間がかかりそうなお客さまには、「テストライト」を実施しています。現状の髪でブリーチをするとどうなるか、お客さまの髪の一部で実演するのです。白髪染めをされている方や、ダメージが大きい方などに行います。
そして、テストライトの結果を見たお客さまは、1回の来店と施術では、目指すスタイルになれないことを納得してくださいます。こうして、何度かの来店で髪のコンディションを整えながら、理想のカラーデザインというゴール地点までの工程を共有していくのです。
ヘアカラーは、お客さまの髪の願望をかなえる、悩みを解消するなど、サロンの「売り」になり得るものです。その「売り」を強みに変えて、知識と素材分析力をさらに高め、練習と研究を重ねて研ぎ澄ませ続けることが、お客さまに飽きられず、選ばれ続ける上で大切なことなのかな、という気がしています。
PROFILE
岩上晴美(いわかみ・はるみ)
茨城県出身。『kakimoto arms』入社後、ロンドンへのヘアカラー留学などを経て、現在ヘアカラーマネージャー。サロンワークを中心に薬剤
開発、セミナー講師など幅広く活躍中。著書に『ホームカラー併用のための新発想グレイカラーレッスン』(女性モード社刊)がある。
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