【連載企画Vol.2】伸びしろは、ここにある!デザインカラーアプローチ「待っているだけでは始まらない!能動的普及のススメ」/山本雅英×『edol yoyo』
町のお客さまを開拓し、さらなる支持を受けるカギを巧みなデザインカラー提案で見出した全国各地の美容師に突撃取材! 彼らの成功談をヒントに、売れっ子スタイリストへの道を駆け上がろう。第2回は、山本雅英さん[Blic mt hair make(群馬県みどり市)]。
◎Interview_山本雅英さん[Blic mt hair make]
やまもと・まさひで/1976年生まれ。栃木県出身。国際理容美容専門学校卒業。東京都、栃木県、群馬県内の数店舗を経て2008年に『Blic mt hair make』をオープン。現在、アイラッシュサロンを含む2店舗を展開。
[SALON DATA]
Blic mt hair make
所在地:群馬県みどり市(2店舗。アイラッシュサロンを含む)
セット面:8面/スタッフ数:9人(2店舗計)
[STYLIST DATA]
メイン客層:30代の女性
ヘアカラー比率(うちブリーチ比率):70%(70%)
お客さまの気持ちや事情を勝手に決めつけない
商店が立ち並ぶ幹線道路から一歩中に入ると、目の前には田畑や牛舎など、のどかな風景が広がる。そんな穏やかな空気が流れる群馬県みどり市に、山本さんが『Blic mt hair make』をオープンして15年。今や「ハイセンスなデザインサロン」として多くのファン客を抱え、高い客単価を誇る美容室へと成長した。その一助となったのが、山本さんが得意とするデザインカラーの熱心な提案だ。
「『お客さまはブリーチ施術や高い料金を支払うことに抵抗があるはずだ』と、デザインカラーを積極的にすすめられない美容師もいるようですが、僕は見えない“お客さまの気持ち”を想像しても仕方がないと思っています。断られても構わないし、もし職場の服装規定や施術料金の高さがネックになっているなら、それらをカバーするアイデアを出したい。提案をあきらめたら、お客さまは二度とデザインカラーに挑戦しないかもしれません。それは残念ですから」
お客さまが自覚していないニーズをすくい取れれば、他サロンの美容師との差異化、ひいては売上げアップにつながる。山本さんの取り組みが、それを証明している。
■アプローチ_1
お客さまを強気に導く「イエス or イエス」提案
「提案型」のカウンセリングがモットーの山本さんは、お客さまにデザインカラーが似合うと思ったら即アプローチ!その際、「試すか試さないか」を選んでもらうのではなく「試す前提」で、「色を前面にアピールする個性派デザイン」と「色をさりげなく楽しめて、時には隠せるデザイン」など複数案を提示。前向きな検討を促す。能動的な提案により、山本さんの客単価は18,000円を誇る。
■アプローチ_2
色を主張できて、隠せる!アウターカラーデザイン
数年前から表面のみをブリーチする「アウターカラー」を推している山本さん。全頭ブリーチより施術料金を低く設定できるため、デザインカラー初挑戦の人や料金を抑えたい人に人気。また、ブリーチを施す範囲を調整すれば、“隠せる”デザインにアレンジ可能(詳しくは下部で解説)。「隠せるデザインカラー=インナーカラー」という常識を覆した。
■アプローチ_3
大人世代の顧客には、アウターカラーで白髪ぼかし
白髪に悩む大人世代にもアウターカラー提案が◎。トップの根元~毛先をブリーチ後、シャドールーツカラーを施すことで、暗い根元が徐々に明るく退色しながら目立ちやすい表面の白髪をぼかす役目を果たす。なお、エイジング毛に過度なダメージを与えないために、ブリーチで大幅にリフトアップしなくても表現できる「ベージュ」「グレージュ」の2色に絞って提案している。
■アプローチ_4
コンテストへの参加を通じて技術&デザイン力を向上
山本さんがデザインカラーをはじめとしたカラーオンブリーチに力を入れ始めたきっかけは、コンテストへの参加。良い結果を残すためにウイッグで試行を重ねる中で、技術やデザイン力を培っていったという。また、常に新鮮なヘアデザインに思いを巡らせることで、サロンワークでの提案の幅も格段に広がったそう。
◎HAIR DESIGN
最小限のブリーチで、最大限のデザイン効果を!爽やかなグリーンのアウターカラー
hair design_Masahide Yamamoto[Blic mt hair make]
make-up_Nanami Okazaki[Blic mt hair make]
photo_Ayumi Fuse
costume_mebuki
カラーリングは表面の中間~毛先のみ。根元の細かい髪を落とした上でブリーチを施す「エアタッチ」で境目をぼかし、ビビッドグリーンの自然なグラデーションに。また、ブリーチせずに残した顔周りでブリーチ部を隠しながらバックでまとめれば、アウターカラーがほとんど見えなくなる仕組み。
Before
中間~毛先に複数回のブリーチ履歴がある。その後に黒染めをしているため、現状の明度は約5レベル。硬くて太い髪質で、多毛かつ乾燥毛。緩くうねるクセがあり、膨らみやすい。カットベースは、あご下レングスの前下がりのボブ。
Process_1
フロントと顔周り1線を除くトップを両黒目の幅で分け取る。バックをU字にセクショニングすると表面のブリーチする範囲が広くなりバックが明るくなりすぎるので、水平にセクショニングにするのがポイント。
Process_2
フロント側から厚さ2センチのパネルを前方に引き出し、エアタッチ施術。毛先3分の2の位置を持ち、根元側に上から風を当てて短い髪を落とす。
Process_3
自然に落ちたときの目の高さから毛先にブリーチ【A】「エドル ブリーチ」を塗布する。
Process_4
2線目以降も同様に、1線目と同じ位置に引き出してエアタッチ施術。1線目の塗布位置をガイドにブリーチ【A】「エドル ブリーチ」を塗布する。
Process_5
全パネルに塗布し終えたら、今度は後方に引き出してパネルの裏側にもブリーチ【A】「エドル ブリーチ」を塗布し、ムラなくリフトアップさせる。16レベル程度まで明度が上がったら水洗。
After bleach
水洗後にドライした状態。エアタッチ施術を行ったことで境目がぼけ、さらに前方に引き出してブリーチを塗布したためにブリーチ部分の範囲が前上がりになった。今回は、オンカラーで塩基性カラーを使用するため、ブリーチ部分の境目がグラデーションにならないように、しっかりとリフトアップするのがポイント。
Process_6
ドライ状態でブリーチ部にグリーンの塩基性カラー剤【B】を塗布する。15分放置後、水洗。
Recipe
【A】ブリーチ/「エドル ブリーチ」+「エドル オキシ」6%(2倍)
【B】アウターカラー/「エドル ヨヨ」(Neon Lime:Aqua Blue=1:1):Green=10:1
◎「エドル ヨヨ」開発ウラ話 ②
山本さん愛用のルベルの塩基性カラーライン「エドル ヨヨ」。その“ 見えない”こだわりに迫る!
こんなニュアンスが欲しかった!単品でトレンドカラーが完成
イマジンラインは、ツヤ感のある黄み寄りの黄緑「ネオンライム」やクリアな水色「アクアブルー」など、今求められる軽やかなニュアンスを表現できる全5色展開。ベーシックなカラーで構成されたプライマリーラインより濃度が控えめで、単品でも使いやすいので、塩基性カラー初心者にもおすすめ。また、アンダーカラーの影響を受けやすく難易度が高い寒色系を中心にラインアップし、幅広い色表現をサポートする。
※色相環内の「NL」はネオンライム、「PM」はポップミント、「AB」はアクアブルー、「WL」はホワイトラベンダー、「UP」はウルトラピンクを示す
◎Product Information
エドル ブリーチ(販売名:パウダーブリーチLB)
<医薬部外品> 500g
エドル ヨヨ
<染毛料/化粧品> 120g(クリアのみ400g)
全12色+クリア
<ブリーチのご注意>
●使用上の注意をよく読んで、正しくお使いください。
●過硫酸塩配合の製品でかぶれたことのある方には絶対に使用しないでください。
●本品は過硫酸塩配合の製品で、アレルギー反応をおこすことがあります。
2023.07.01
- share